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建築

一級建築士兼気象予報士が考える 方角・時間帯別の太陽光の取り入れ方

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太陽は東からのぼり、南を通過して西へと沈んでいきます。

朝から夕方にかけて1日を通して移動する太陽の光を、その方角・時間帯に合わせて上手にお家の中に取り込むことで明るく、あたたかい室内環境をつくることができます。

そこで一級建築士兼気象予報士が考える方角・時間帯別の太陽光の取り入れ方を紹介します。

東・朝

朝の時間帯の東からの太陽光は積極的に取り入れたいところです。

朝の出掛ける準備を行うリビング・洗面所に取り入れることで明るい環境で気持ちよく準備ができますし、自然光のもとで化粧を行うことができるのもメリットのひとつです。

さらにダイニングにも取り入れることができれば、太陽光が差し込む中で前向きな気持ちで朝食をとることができます。

冬は夜の間に下がった室温をあたためる助けにもなってくれます。

南・昼

1日の中で最も日の当たる時間帯が長い南の太陽光は、日中の滞在時間が長いリビングに取り入れるのがセオリーといえるでしょう。

ここでの注意点としては庇や軒を利用し、夏と冬で太陽光の取り入れ方を変えることです。

太陽の高度が高い夏は直射日光を防ぎ、部屋の温度上昇をおさえます。

一方太陽の高度が低い冬はしっかりと太陽光を取り入れ、部屋をあたためるために利用します。

季節により太陽光の取り入れ方を変えることで、冷暖房費用の節約につなげることが可能となります。

西・夕方

夕方の時間帯の西日の注意点としては、なんといっても夏の西日はしっかりとさえぎるということです。

冬は南の太陽光と同じで部屋をあたためる効果が期待できますが、夏は扱いを間違えると部屋の中が灼熱地獄となってしまいます。

そのような事態を防ぐためにも、夏の西日対策はこの記事を参考にしてみてください。

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北側は夏の日の出直後と、日の入り直前の一部の季節・時間帯を除いて直接的に太陽の光が入ることはありません。

しかし北側からも隣の建物などに反射した間接的な光を取り込むことは可能なため、立地条件次第では窓を設けるメリットも存在します。

そのほかにも青い空がきれいに見えるという利点もあるため、目線の抜けるポイントに窓を設けるというのも効果的です。

まとめ

太陽光は方角・時間帯によって見せる表情が異なります。

その特性を理解し、上手に取り込むことで自然の力を活かした明るく・快適な室内環境を手に入れることができます。

ぜひ参考にしてみてください。

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榎本裕一
榎本裕一
一級建築士/気象予報士
新卒でゼネコンに入社後、現場監督として公共施設、マンション、物流センターなど大規模建築物の建設に携わる。

一級建築士を取得後、注文住宅の設計に転職し現在までに累計100棟以上の住宅の設計を行う。

さらに気象予報士としてもTV局で気象サポートの仕事を行ない、建築と気象の二刀流生活を送っている。

【資格】一級建築士/気象予報士/SDGs検定合格
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