一級建築士が解説 闇バイト強盗から身を守る家づくりにおける窓の防犯対策
闇バイトを使った強盗事件が近ごろ多発しています。
その犯行手口は窓ガラスを割って強引に入ってくるなど、家や窓の鍵を閉めていても決して安全とは言えません。
実際に2023年の窃盗の侵入経路をデータで見てみると、一戸建て住宅の場合は半数以上の55.2%が窓からの侵入です。
警視庁 住まいる防犯110番
手口で見る侵入犯罪の脅威https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_d_1.html
そんな強盗から身を守るためにできる、家づくりの際の窓への防犯対策を一級建築士目線で解説します。
シャッター
ガラス面積の大きい引き違い窓には、シャッターを付けると夜間や外出時の強盗の侵入を防ぐ効果が期待できます。
その理由としては窓の外部にシャッターを取り付けることで、窓ガラスが割られることを防ぐことができるからです。
シャッターで防犯対策をとる弱点としては、日中の在宅時にシャッターを開けて日差しや風を取り込んでいるタイミングだと、防犯の効果を発揮することができないことです。
面格子
引き違い窓や窓が開かないFIX窓には、面格子をつけることも強盗の侵入を防ぐ効果が期待できます。
その理由としては窓の外部に面格子をつけることで、たとえガラスが割られようとも人の侵入を防ぐことができるからです。
面格子のデメリットとしては、家の中から窓を通して外を見たときに常に面格子が目に入ってしまうことです。
サイズ
タテスベリ窓やヨコスベリ窓といった、外に押し出して開けるタイプの窓は、シャッターや面格子を取り付けることができません。(押し出した窓が外についているシャッターや面格子と接触してしまうため。)
そこでとることができる対策は、窓の幅や高さを狭くして、物理的に人が入ることができない大きさにすることです。
人が入ることができない大きさとは、具体的には次の通りです。
- 40cm×25cmの長方形
- 40cm×30cmの楕円形
- 直径35cmの円
窓をこのサイズ以下にすることで、身体の侵入が不可能とみなされます。
(一社)日本サッシ協会 防犯建物部品について
https://www.jsma.or.jp/Portals/0/images/useful/houreikijun/04_Crimeprevention(1207).pdf
防犯ガラス
YKKAP 安全合わせ複層ガラス/防災安全合わせ複層ガラス
https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/glass_security
シャッターや面格子をつけることができず、窓のサイズも大きく確保したい場合には、窓ガラスに防犯ガラス(安全合わせガラス)を採用することがおすすめです。
防犯ガラス(安全合わせガラス)は、ハンマーなどでたたいてもガラスが割れづらいため、強盗の侵入まで時間を稼ぐ効果が期待できます。
泥棒の約7割が、5分以内に侵入することができなければ、あきらめるというデータがあります。
警視庁 住まいる防犯110番
防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_b/b_c_3.html
まとめ
窃盗の家の中への侵入経路は、半数以上が窓からの侵入です。
このことから窓に対して、防犯対策を行うことは非常に有効です。
具体的には次の対策が侵入防止に効果を発揮します。
- シャッターをつける
- 面格子をつける
- 幅・高さを狭くする
- 防犯ガラスにする
大切な財産、そして何よりも家族、自分自身の命を守るために、今回解説した窓への防犯対策を参考にしていただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。