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建築

一級建築士兼気象予報士が教える 災害に強い家づくりのポイント5選

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毎年のように起きる大雨による浸水被害や土砂災害、さらには発生が予想されている東南海地震や首都直下型地震など。

今の日本ではいつ、どこで災害が発生するかわからない状況です。

そんな状況の中、マイホームには災害に強く、家族の身を守るような役割を果たして欲しいと多くの方が望んでいます。

そこで注文住宅の設計実績120棟以上の一級建築士兼気象予報士が、災害に強い家づくりのポイントを5つに分けて紹介します。

土地選びはハザードマップを確認

家を建てる土地が持つリスクを事前に把握しておくことで、家を建てる際に災害に対して対策をとることが可能になります。

洪水・土砂災害・高潮・津波などが想定されている範囲や規模の確認を行い、その土地が元々はどのような土地だったのかを調べることは、災害に強い家づくりには欠かせない作業です。

具体的なハザードマップの確認方法は、こちらで紹介しているので、是非活用してください。

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太陽光発電+蓄電池を採用する

屋根の上に太陽光パネルを載せることで、災害時に停電となっても太陽が出ている時間帯であれば、家の設備を使用することができます。

さらに太陽光パネルに加えて、電気を貯めておける蓄電池システムを採用することで、太陽が出ていない雨の日や夜間でも電気を使用することができるようになります。

マイホームに電気を発電する太陽光発電システム、さらには電気を貯めておける蓄電池システムがあれば、災害などで停電した時でも最低限の暮らしを維持しながら復旧を待つことが可能となるのです。

エコキュートを採用する

エコキュートはタンクの中にお湯を貯め、そのお湯をお風呂やキッチンへと送り出す仕組みです。

そのためエコキュートのタンクの中には水が溜まっている状態なので、災害などで仮に断水してしまっても、エコキュート内の水を直接取りだすことが可能です。

断水が長引くとトイレが流せない、洗い物や洗濯物ができない、掃除を行うことができないなどの影響が出てきます。

そんな状況でエコキュートから水を取りだすことができれば、断水状態の中で大いに助けになります。

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窓にはシャッターや防犯ガラスを採用する

台風などの強い風をともなう荒れた天気の際には、飛散物によって窓ガラスが割れる被害がしばしば発生します。

窓ガラスが割れてしまうと雨や風が家の中に入ってきたり、割れたガラスでケガをしてしまう恐れがあります。

その対策として窓全体を覆うシャッターを付けたり、窓ガラスを割れづらく、飛散しづらくする効果を持つ防犯ガラスを採用すると効果的です。

パントリー(備蓄庫)を設ける

パントリー(備蓄庫)の中に非常時の食材を貯めておくことは、災害時の備えとして非常に重要です。

食材選びは水や缶詰、レトルト食品など賞味期限が長く、常温でも食べられるものを選ぶことが大切です。

キッチンの近くにパントリー(備蓄庫)を設けることで、賞味期限が近付いたものを消費し、新たなものに入れ替えていくローリングストックが行いやすくなるメリットがあります。

まとめ

いつ、どこで自然災害が発生するかを、正確に予想することは今の段階ではできません。

そんな環境の中、家は家族や自分の命、生活を守る役割を果たさなければなりません。

これから新しく家を建てる方や、リフォームをする方は今回紹介した5つのポイントを意識し、安全で安心できる快適なマイホームをつくる参考にしてみてください。

ABOUT ME
榎本裕一
榎本裕一
一級建築士/気象予報士
新卒でゼネコンに入社後、現場監督として公共施設、マンション、物流センターなど大規模建築物の建設に携わる。

一級建築士を取得後、注文住宅の設計に転職し現在までに累計100棟以上の住宅の設計を行う。

さらに気象予報士としてもTV局で気象サポートの仕事を行ない、建築と気象の二刀流生活を送っている。

【資格】一級建築士/気象予報士/SDGs検定合格
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