気象予報士が教える 車のフロントガラス凍結の原因とその対処法・予防法
出勤やお出掛け時に車のフロントガラスが凍っていて、すぐに出発することができずに困った。という経験をしたことがある方は多いと思います。
昼と夜の気温差が大きくなる冬の季節に、”放射冷却”という現象が起きることで車のフロントガラスが凍結してしまいます。
そこで車のフロントガラス凍結の原因、さらに対処法・予防法を、気象予報士が解説します。
フロントガラス凍結の原因
車のフロントガラス凍結は夜に起こる”放射冷却”という現象が原因です。
放射冷却とは何かを知りたい方は、こちらの記事を参照ください。
フロントガラス凍結のメカニズム
なぜ夜の気温が下がると、車のフロントガラスは凍結してしまうのでしょうか。
次に車のフロントガラス凍結のメカニズムを解説します。
放射冷却により夜の間に気温がぐんと下がると、空気中の水蒸気が凍って霜が発生します。
その霜が車のフロントガラスに降りてくることで、フロントガラスは凍結するのです。
車のフロントガラスは角度が地面と水平に近いため、他のガラス部分と比べてより霜が降りてきやすい構造になっていることも凍結の原因のひとつと言えます。
凍結への対処法
朝、出発する時に車のフロントガラスが凍結してしまっていた時の対処法を3つ紹介します。
解氷スプレー
ソフト99コーポレーション
解氷スプレーは凍結したフロントガラスの吹き付けるだけで、簡単に氷を解かすことができます。
暖気運転(デフロスター)
デフロスターとは車に備え付けられている、フロントガラスのくもりをとる機能のことです。
車の操作パネル部分にある赤いマークのデフロスターを使うことで、フロントガラスの内側に暖かい空気を送ることができます。
このデフロスターを使用し車の中を暖めることで、フロントガラスの内側から氷を解かすことが可能となります。
メリットはフロントガラスを傷つけることがないこと、デメリットは氷が解けるまで時間がかかることです。
アイススクレーパー
大自工業株式会社
”へら”のような形状のアイススクレーパーでフロントガラスの氷を削ぎ落とす方法です。
解けはじめた氷は削ぎ落としやすいですが、カチコチに凍った状態では歯がたたないこともあります。
解氷スプレーと組み合わせて使うことで、すばやく氷を撤去することが可能になります。
デメリットは力を入れすぎると、フロントガラスを傷つける恐れがあることです。
凍結への予防法
朝の出勤、お出かけに備えて前の日からのフロントガラスの凍結への予防法を2つ紹介します。
凍結防止カバー
大自工業株式会社
フロントガラスの外側からカバーをかけて凍結を予防する方法です。
空気中の霜とフロントガラスが直接触れ合うことがないため、凍結を防止することができます。
撥水剤
ソフト99コーポレーション
ガラスの撥水剤を塗るだけでは、凍結自体を防ぐことはできません。
しかし事前に撥水剤を塗り込んでおくことで、フロントガラスに撥水の膜が形成されます。
そうすると凍結した氷をスクレーパーなどを使用し、簡単にはがし取ることが可能となります。
凍結へのNG行為
朝の出発時に時間もない中、車のフロントガラスが凍結していると焦る気持ちもあると思います。
しかし慌てて対処してしまうと、フロントガラスを傷つけてしまいます。
そこで車のフロントガラス凍結時のNG行為を3つ紹介します。
ワイパーで取らない
凍結しているフロントガラスの上からワイパーをかけてしまうと、ワイパーのゴムがボロボロになってしまいます。
無理やりワイパーで氷をどかそうとするのはやめましょう。
氷を叩いて割らない
フロントガラスは傷付けず、表面の氷だけを叩き割るのは至難の業です。
焦りでフロントガラスまで割ってしまうと、損害は計り知れません。
熱湯をかけない
キンキンに冷えたフロントガラスに、アツアツの熱湯をいきなりかけるとガラスにヒビが入る原因となってしまいます。
反対にかけるお湯の温度が低いと、かけたお湯が凍結し事態を悪化させてしまいます。
お湯をかけることで氷を解かすことは可能ですが、温度管理には十分気をつけてください。
フロントガラス凍結予報
ウェザーニュースでは、フロントガラス凍結予報を配信しています。
このように現在地をもとに、次の朝にフロントガラスの凍結のおそれがある地域が紫色で表示されます。
前日に確認することで、通勤やお出掛けの準備に役立てることができます。
まとめ
星がきれいに見え、風がなく、空気の冷たい夜の次の日の朝は車のフロントガラスの凍結に注意が必要です。
車のフロントガラス凍結はしっかりと準備することで予防すること、対処することが可能です。
フロントガラスが凍っていても慌てず、フロントガラスを傷つけるNG行為を避け寒い日の朝を乗り越えていきましょう。