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建築

一級建築士が教える 乾太くんの設置スペース

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いつ降るかわからないゲリラ豪雨、梅雨の連日降り続く雨、さらには花粉の飛散、いまの日本の気候のもとで洗濯物を外に干すリスクが高まっています。

そんな環境の中、人気急上昇なのがリンナイ株式会社のガス衣類乾燥機 乾太くんです。

乾太くんの熱源はガスのため、電気式の衣類乾燥機よりもパワフルで速く、よく乾くのが人気の理由です。

着実に人気を伸ばす乾太くんを採用する際に頭を悩ませるのが、設置スペースの確保です。

一番大きなタイプで横幅653mm×奥行674mmあるため、洗濯機と同じぐらいの設置面積が必要となります。

限られたスペースの中で洗濯機の上に積み重ねるのか、それとも洗濯機と横並びにして設置するのかと悩まれる方は多いです。

そこで注文住宅の設計実績を120棟以上持つ一級建築士が、乾太くんの設置スペースをタイプごとに解説します。

専用台

まずはじめに乾太くんと同じリンナイ株式会社のオプション品である専用台を紹介します。

乾太くんを洗濯機の上に積み重ねるタイプの専用台(高)と、洗濯機と横並びにする専用台(低)があります。

専用台(高)

洗濯機を置く洗濯パンを取り囲むようにして専用台を設置します。

設置時の注意点は、洗濯パンが壁にくっついていると専用台の脚が入らなくなってしまいます。

そのため専用台(高)を設置する予定であれば、あらかじめ洗濯パンを壁から離す計画としてください。

もうひとつの注意点はタテ型洗濯機の場合、洗濯機本体の大きさやフタの形状によっては設置できない点です。

お手持ちや購入予定の洗濯機のサイズと、専用台の下部スペースの高さをよく確認するようにしてください。

専用台(高)のメリットは洗濯機の上に積み重ねるように乾太くんを設置することができるため、限られたスペースを有効活用できることです。

一方のデメリットは乾太くんの設置高さがたかくなってしまうため、使用する方の身長によっては踏み台などが必要になる場合がある点です。

専用台(低)

専用台(低)の最大のメリットは、作業性の良さにあります。

洗濯機の上に積み重ねるように乾太くんを設置すると、乾太くん内部の奥の方や底の部分に手が届きづらくなってしまいます。

それに比べて専用台(低)の場合は、腰の高さあたりに乾太くんを設置することができるため踏み台などを使う必要がなくなります。

デメリットは乾太くん用に設置するスペースを確保する必要があることです。

洗面・脱衣所にスペースのゆとりがある場合は、洗濯機と並べるようなかたちで専用台(低)を検討してみるのもいいでしょう。

造作カウンター

現場でつくる造作カウンターの上に乾太くんを設置する最大のメリットは、自分が使いやすい位置・高さにオーダーメイドで合わせることができる点です。

洗濯機の大きさや、乾太くんを使用する方の身長に合わせてmm単位で調整することが可能です。

しかし一度つくってしまうと、調整がきかない点がデメリットです。

洗濯機の買い替えや、ライフスタイルの変化も見越したうえで設置するようにしましょう。

メーカー既製品

乾太くんを採用する方の増加に伴って、いろいろなメーカーから乾太くんを設置するための商品が発売されています。

南海プライウッド株式会社

乾太くんの上下、さらには洗濯機の上まで余すことなく、収納として使用することが可能です。

乾太くんも作業性のよい胸~腰あたりの高さに設置することができます。

南海プライウッド株式会社 衣類乾燥機収納 ラクロ

カタログページ

永大産業株式会社

こちらも乾太くんの上下のスペースを有効利用することができる商品です。

乾太くんのすぐ下の引き出しはカウンターとなっており、洗濯機から取りだした洗濯物などを仮置きすることができます。

足元のオープンスペースには、脱衣かごやごみ箱を置くことも可能です。

永大産業株式会社 乾太くん専用収納ユニット

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株式会社藤山

壁面のレールに取り付けた棚の上に、乾太くんを設置するタイプの商品です。

好きな高さに棚板を設置することができるため、乾太くんを使う方の身長や設置スペースに合わせて自由にアレンジすることができます。

株式会社藤山 Fitrack

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まとめ

乾太くんでタオルを乾かせば、太陽の下で乾かした場合よりもふんわりと新品のタオルのような仕上がりとなります。

そんな優秀な乾太くんを設置するスペース案を紹介してきました。

専用台・造作カウンター・メーカー既製品の中から、作業性やお部屋の大きさ、ライフスタイルに応じて選択することが重要です。

限られたスペースを無駄なく有効に活用し、快適な生活を送るヒントとしていただければ幸いです。

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榎本裕一
榎本裕一
一級建築士/気象予報士
新卒でゼネコンに入社後、現場監督として公共施設、マンション、物流センターなど大規模建築物の建設に携わる。

一級建築士を取得後、注文住宅の設計に転職し現在までに累計100棟以上の住宅の設計を行う。

さらに気象予報士としてもTV局で気象サポートの仕事を行ない、建築と気象の二刀流生活を送っている。

【資格】一級建築士/気象予報士/SDGs検定合格
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