一級建築士兼気象予報士が教える 台風接近前の備え5選
台風は毎年7月から10月にかけて、日本に接近または上陸し、大雨や強風による災害をもたらします。
大雨では床上浸水や土砂崩れ、強風では飛散物による人への危害や、ものの破損などの被害が起きてしまいます。
そんな被害を少しでも軽減できるよう、一級建築士兼気象予報士が台風接近前に備える対策を5つに分けて紹介します。
家の外のものを建物の中に取り込む
植木鉢や傘立て、ベンチや日除けなど家の外にあり、風で飛ばされる可能性のあるものはすべて建物の中に取り込みましょう。
特に風を受けやすい布状のものは、それを取り付けている柱ごと引っこ抜かれてしまうこともあるので注意が必要です。
風でものが飛ばされてしまうと、他の人の家や車を傷つけるばかりか、人に危害を加えてしまう可能性が十分にあります。
台風接近のニュースを見聞きしたら、これぐらいは大丈夫だろうとは思わず、外にあるものは建物の中に取り込むようにしましょう。
スマホやモバイルバッテリーを充電しておく
急な停電に備えてスマートフォンや、モバイルバッテリーの充電を満タンにしておきましょう。
台風による強風で飛ばされたものが電線に引っかかったり、大雨による土砂災害で電柱が倒れてしまうことにより停電が発生することがあります。
外部との連絡を取る手段や、情報を収集するための機器として今やスマートフォンや携帯電話は必要不可欠です。
万が一に備えて、台風接近前に充電を満タンにしておく心がけを持つようにしましょう。
湯船の水を抜かない、飲料水の備えも
急な断水に備えて湯船を満タンにしておき、それとは別に飲料水も確保しておきましょう。
停電によって浄水場が稼働できなくなったり、土砂災害や洪水によって配水管が破損することにより、断水が発生することがあります。
水がないとトイレが流せない、洗い物や掃除ができないなど、災害発生時に最低限の生活を送ることさえままならい状態となってしまいます。
また湯船にはった水は飲料水としては利用できないため、飲料水も確保しておくことが大切です。
台風接近直前や災害が起きてからでは、スーパーやドラッグストアから水がなくなってしまうという事態もよく起きています。
台風のほかにも、地震などの災害への備えとしても飲料水の確保は重要ですので、ゆとりをもって準備するようにしましょう。
雨戸やシャッターを閉める
雨戸やシャッターが付いている窓は、台風接近前に確実に閉めるようにしましょう。
また雨戸やシャッターが付いていない窓については、ものが飛んできても割れたガラスが室内に飛び散らないように養生すると効果的です。
具体的な方法としては、窓ガラスの室内側に米の字のように養生テープを貼ることで、割れたガラスが飛散しづらくなります。
台風による強風で、ものが飛んできて窓ガラスが割れてしまうと、雨や風が室内に侵入したり、割れたガラスでケガをしてしまったりと被害が大きくなってしまいます
雨戸やシャッターを閉める、窓ガラスを養生するといった対策で、被害拡大を防ぎましょう。
側溝や排水溝の掃除をする
家の周りの側溝やベランダの排水溝の掃除を行い、雨水の流れを良くしておきましょう。
側溝や排水溝が詰まっていると、台風による大雨で水があふれてしまいます。
行き場のなくなった水はかさを増し、やがて家の床上まで上がってきてしまうことも想定されます。
ゴミや土を取り除き、降った雨がスムーズに排水されるよう準備をしておきましょう。
まとめ
台風の接近前にできる備えを5つに分けて紹介してきました。
毎年7月から10月にかけて、約12個の台風が日本に接近し、約3個の台風が日本に上陸しています。(1991年~2020年の30年間平均)
参照:気象庁 台風の発生、接近、上陸、経路
そのたびに大小様々な自然災害が日本のいたるところで発生します。
毎年くる台風シーズンに備えて、ゆとりを持って事前に対策を行い、少しでも被害を小さくできるよう取り組んでいきましょう。